つぎ、なによむ?

本を読みたいけど、なにを読もう。この本、みんなはどう思ったんだろう。誰かの、本を手に取るきっかけに。

おめかししたくなる本【おめかしの引力 川上未映子】

おめかししたくなった。

一瞬で読み終わるし、頭使わないし、新しい価値観に出会えるし、エッセイっていいね。

 「全方位的」って何回出てきたんだろ。

あと、関西弁って便利だなと思った。

 

おめかしの引力

おめかしの引力

 

服の趣味は全然理解できないから、内容は山内マリコさんのエッセイの方がだんとつ良かったけど。

 

私は服にも化粧にも髪型にも手をかけてない。

「やろうと思えばできるけどやらない」じゃなくて、やり方がわからない。

雑誌を見たり、化粧してる人の動画をYouTubeで見たり、こうやってファッションについて読んだり、そういうのはとても好きなんだけど。

どうしても、「やってみよう!」「買ってみよう!」ってならない。不思議。

妹が服を念入りに選んで寝起きと別人のようになって出かけるのとか、

同期が新しい服を着こなして目の上に緑色とか紫色とかをつけて会社にくるのとか、

友だちがいつも同じゴールドのアクセサリーをつけて高級なものみたいにユニクロを着こなすのとか、

母が昔々のスカーフなんかを最近買った服にぴったり合わせてるのとか、

そういうの全部うらやましい。

自分に合ったお化粧できれいになる人もうらやましい。

 

でも一番の理想は、きちんと引き締まった身体で、化粧はしなくても顔が完成していて、Tシャツにジーンズにゴールドのアクセサリーで様になる人。

でもそんな人滅多にいなくて、日本だと長谷川潤ちゃんくらいしかいなくて、

だからみんなきちんと服を選んで、きちんと顔を整えてるんだね。

えらいな。いつかできるようになりたいな。

もういい大人だけど。

 

 

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生きづらいね、って本【生きてるだけで、愛 本谷有希子】

リズムがすごく良くて

割と長い一文もさらっと読めた。

気持ちのコントロールが効かなすぎるけど、わからなくもない。

生きづらいね。

 

生きてるだけで、愛。 (新潮文庫)

生きてるだけで、愛。 (新潮文庫)

 

 話は短いから、仕事のお昼休みに本屋さんで見つけて、ニラレバ定食食べながら読んで、仕事おわって家に帰ってお風呂から出てリビングで読んで、寝る前にベッドで読み終わった。

毒づき方が友だちに似てた。目の付け所と口調が。

 

正しくシャキっと前向きに、やるべきことだけやっていくなんて、そんなの出来ないときもあるよね。しょうがない。生きづらいね。

 

ほんとにリズムが良くて読みやすかった。

 

 

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ある女性の人生の本【私のなかの彼女 角田光代】

仙太郎が間違ってるのか和歌が間違ってるのか、混乱する。

読んでると本当に物語の中と同じように時間が経っている感覚があって、和歌が過去を思い出すと、私も同じように懐かしく感じた。

 

 

私のなかの彼女 (新潮文庫)

私のなかの彼女 (新潮文庫)

 

 

 

時間の流れが、歳を重ねて変化していく和歌が現実みたいで、生きている女性の人生の一部をみた感じ。

こういう、誰かの人生を、一貫したその人の考え方を(その人が成長するうえで変わっていく価値観も、きちんと描かれていればそれはそれで一貫してる)、知ることができる小説をいつも読みたい。

共感する感情も自分と似た環境もないのに、こんなに面白かったなんてすごい。

和歌の言動に共感はできないけど、和歌の言動を表す表現にはすごい共感できるところがあって、納得できて面白かった。

 

いつも面白い本を薦めてくれる友人が「読んでみて」って送ってくれた本だったから、面白いんだろうなとは思ってたけど、やっぱり面白かった。

誰かに進められて本を読むと、あーここの箇所もあの人読んだんだなーとか、この部分どう思ったのかなーとか、その人のことを思い浮かべることが何度かある。

思い浮かべることで小説に対する集中はちょっと途切れてしまうけど、嫌じゃない。

 

あー面白かった。

 

 

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助けられる人がいる本【しろいろの街の、その骨の体温の 村田沙耶香】

最後の100ページくらい、いっきに読んだ。

集中してひとりっきりでいっきに読めて良かった。

 

この本ですごく助けられる人もいると思う。

現状を切り抜けるきっかけになる人もいるだろうし、過去の出来事を肯定できるようになる人もいるだろうし。過去の自分を反省する人もいるだろうし、次の世代を助けるきっかけになる人もいると思う。

 

 

 

 

学校なんて狭くて苦しい。

私は嫌だったこととか時間が経つと忘れてしまうからあんまり覚えてはいないけど、グループとか地位とかキャラクターとかに振りまわされて、居心地の悪い時間を過ごしていたこともあったような気がする。

高校から入った学校はとても小さな学校で、クラスの人たちと一緒にいる時間が長くて、長すぎるくらいで、気を使わないようになるところがとても良いところだった。どんな人でも、長く一緒にいれば、いるしかなければ、なんとかなるんじゃないかな。

嫌な人でも、気が合わなくても、見た目が好みと違っても、毎日毎日何年間も顔を合わせて一緒の時間を過ごしていたら、必ず良いところだってひとつは見えてくる。

助け合うタイミングが訪れる。たとえ小さなことだとしても。

気が合わなくても、良いことろをひとつでも知っていたら、憎むことはなくなると思う。

でも、自分はもしかしたら上の方にいたのかもしれなくて、おとなしい人たちからはうっとうしがられていたり、気づかないうちに誰かを傷つけていたのかもしれない、と思う。

 

学校以外の所属できるところってすごく大切で、この物語の中ではお習字で、私にとってはピアノとか教会とかだった。クリスチャンでもないのに教会に通ってたのは、学校以外の私の居場所だったからだと思う。

居場所が学校しかないと、そこで価値を見出せなくて居心地が悪くなったときに、逃げられない。

子どもができたら、いくつか居場所を提案してあげなきゃな。

家だってそう。外の世界がうまくいかなくても、家で居心地が良ければなんとかなることもある。

あと、同じ状況は永遠には続かない、ってことを認識することも大切。いつか変化は訪れる。それを知ってると乗り越えられることも諦められることもあるんじゃないかな。

 

自分を肯定するのも他人を肯定するのも、不得意な人には本当に大変なことなんだなぁ。むやみに人のことを否定してり、自分のことを否定したりしないようにしたいな。

 

 

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途中で諦めなくて良かった本【ナイルパーチの女子会 柚木麻子】

途中でやめなくてよかった。

主人公二人ともわけわかんないし、暗いし、なんか汚いし。あんまり関わりたくないから、途中で何度もやめようかなと思った。読み終わるのに二週間くらいかかったと思う。あんまり読みたくなかったから。

けどなんとか前向きになって、前向きとはいっても普通の人と比べたらまだまだマイナスな状況だけど、それでも前向きではあったからよかった。

これくらいの小さなことでも、大して明るい未来でもないようにみえることでも、前向きではあった。あれだけ暗くてわけのわからない落ち方をしたからこそ、やっとそう捉えられる、っていうだけだとは思うけど。

 

 

ナイルパーチの女子会

ナイルパーチの女子会

 

 

 

でもきっとこれを読んで救われる人がいると思う。

柚木さんの「伝えたいことがある」ってことがとても伝わってきた気がする。誰かの力に、ちょっとして光になれたら、って思って書いたんじゃないかと思う。

ちょっとくどい部分もあったけど。

 

 

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私の信じるものを考えた本【サラバ! 西加奈子】

生きること、生きている時間を積み重ねることの大切さ、尊さがつまってた。

明るいし、ちゃきちゃきしてて、重たくないのに、大切なことがつまってた。

良い本。

 

 

サラバ! 上

サラバ! 上

 

 

 

私の信じるものってなんだろう。じいちゃんの愛かな。

 

『僕は自分が、早々にヤコブを忘れていたことを、忘れたかった。ヤコブのことを、エジプトのことを忘れ、自分の人生に没頭し、そして今、自分の都合でエジプトを訪れ、こうやってヤコブの家族に歓待を受けている自分を、恥じたくなかった。今はただ、この悦びの中だけにいたかった。』

 

好きな人に、自分が大切だと思う人に、愛されないのってどれだけ辛いことなんだろう。好きな人には好かれたいし、嫌われるなら、愛されないなら、すっかり忘れてしまいたい。

 

 

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今ある問題がちっぽけになる本【情事の終わり グレアム・グリーン】

ごはんを食べたり、話をしたり、愛し合ったりしたんだね。

あたりまえのことをあたりまえのようにしてたんだね。

戦争の中にこんな生活があったというより、ごはんを食べたり話をしたり愛し合ったりしている中に、戦争が入ってきたんだね。

 

 

情事の終り (新潮文庫)

情事の終り (新潮文庫)

 

 

 

今なら彼女の夫と、ふたりで彼女を共有できる、幸せにすることができるのに。そこにすごく共感した。どうしようもない大きな力で何かが起きてしまったら、大切なものが失われてしまったら、それまでの問題が急にどうしようもなくちっぽけになってしまう。

私にはそんな悲しい経験はないけど、ないのに共感できた。物語が現実として自分の中に入り込んできたみたい。

 

やっぱり自分の決めたひとりの人を、まっすぐに愛して生きていきたい。

相手もそうであってくれたらいい。

 

江國香織さんの東京タワーの中で、詩史さんんがこの本を読んでいたから読んでみた。詩史さんが言うように「世界が違ってしまった」りはしなかったけど。

江國香織さんの作り出した詩史さんに出会って、詩史さんの読んだこの本に私は出会った。誰かがまたこの私のとりとめもない感想を読んで、この本に出会ったりしたらいいな。

 

 

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